パラメトリック機能とは?
パラメトリック機能とは、押し出しやカット、ロフトなどのいわゆるフィーチャーと呼ばれているものが持っている寸法情報やどの面にくっついているかなどの情報をもっています。これらの情報を変更することで、モデルの設計変更ができる機能のことです。
パラメトリック機能がある場合
パラメトリックの機能を押し出しを利用して考えてみましょう。
- 「押し出し1」は画像のように250X125の長方形スケッチを元に作成されています。「押し出し1」の上面にに正方形の「スケッチ3」を作成してみました。このスケッチは押し出し1のエッジと中心点を通る水平線を使って書いてあります。寸法は入れていません。すべての拘束は押し出し1の面を利用しています。
- スケッチを押し出して「押し出し2」を作成すると正方形のボディが完成します。
- 今度は押し出し1の元になっているスケッチ1を125X125に変更してスケッチ編集を終了すると、押し出し1が変更されるだけでなく、押し出し2のボディも形状変更され半分の大きさになりました。これがパラメトリックの機能です。
パラメトリック機能がない3D-CADの場合
パラメトリック機能がない場合の押し出し1を変更すると押し出し2の形状がどうなるか検証してみましょう。
- 上記のモデルと同じように、スケッチ1を125X250を押し出しして、押し出し1のボディを作成して、押し出し1の上面にエッジや中心点を通過する水平線などを利用してスケッチ3を作成します。出来上がるモデルはパラメトリック機能があるCADと同じモデルになります。
- 今度は、押し出し1の元になっているスケッチを125X125に変更してみます。押し出し1の形状が変更されたのに、押し出し2に形状変更の情報が伝達されていないため、押し出し2の形状はそのままです。これは2D-CADで元になっている線を変更しても付け足した線が変更されないイメージです。
パラメトリック機能はどうして便利なの?
パラメトリック機能を使うと、ベースになっている部分が設計変更になっても、それに連動して各パーツの大きさが自動で最適な寸法になります。
- 画像はトラックの荷台に載せる箱の簡単なベース部分です。
- 箱のベースとなっている板の大きさを変更すると、それに合わせて、回りを囲む板も自動的に連動して形状変更します。上記のモデルでは全長が5400にしましたが、極端に短くしてみます。ベースの板の寸法だけ変更します。
このように、パラメトリック機能があると、元になっている部品を変更すれば、それに連動して、参照している部品の大きさも自動で変更できますので非常に便利です。
htmlでは、スマホの登場でレスポンシブな方法が使われていますが、パラメトリック機能もそんな感覚です。
パラメトリック機能は非常に便利な機能ですが、注意しないと、設計変更したときに、意図していないモデルになったり、エラーになって最悪、最初から作り直しになったりします。
ですので、依存関係や親子関係の存在を常に意識しながらモデリングする必要があります。
次回のページではパラメトリック機能を利用する場合、注意する点や、おススメの方法を記載します。
今回はこれで終わりです。
お疲れ様でした!
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